All ASCII Linux Issue / Linux Magazine 2000年5月号
初めてでも大丈夫!今日から使える Linux (第2部)
Linuxの基本操作
2001年5月21日
序文
インストールが終了して、自動的に再起動すると、Linuxが起動する。ひょっとして、Windowsは二度と起動しなくなってしまったのではないかと心配するかもしれないが、そんなことはないのでご安心を。ただ、インストール時の初期設定では、起動時に何も指定しないで放っておくと、自動的にLinuxが起動してしまうのだ。
Windowsを起動するためには、「boot:」というプロンプトに対し、インストール時に登録したように「win」と入力しEnterキーを押さなければならない。しかも5秒以内にだ! 「まだまだWindowsを使う機会のほうが多いのに、何だか面倒なことになったなぁ…」と嘆くことなかれ。この特集の後半で、ちゃんとWindowsが自動的に起動するように設定を変更する。そのためにも、早くLinuxの操作に慣れてしまおうではないか。
(竹内充彦)
ログイン
Linuxが起動すると、画面1のようなログインパネルが表示される。
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画面1 ログインパネル |
Linuxは、ある種の機能を除き、基本的にはシステムにあらかじめ登録されているユーザーでないと利用できないようになっている。そのため、Linuxを利用する際には、ユーザー名とパスワードによる認証が行われる。これをログインと呼ぶ。Windowsでも、ネットワークに接続する場合や、複数のユーザーで利用する場合などには、ログオンという認証がある。Windows 95/98のログオンは、キャンセルしても、ネットワークに接続されなかったり、自分用のデスクトップ環境が再現されないだけで、システムの多くの機能は使えてしまう。しかし、Linuxでは、正しくログインしないと、基本的に利用できないと考えよう。
ログイン時に必要なのは、あらかじめ登録されているユーザー名とそれに対応したパスワードだ。インストール時にrootというログイン名のパスワードを登録した。したがって、少なくともrootというユーザーは登録されていることになる。
ここでは、rootでログインしてみることにしよう。「Login:」と書かれたテキストボックスにユーザー名を「root」と入力しEnterキーを押す(この時マウスポインタがパネルの上に乗っていないと、入力を受け付けてくれないので注意)。すると入力したテキストボックスのタイトルが「Password:」に変わる。そこにインストール時に設定したパスワードを入力しEnterキーを押そう。この時、入力したパスワードが他人にバレないように、画面には「*」で表示される。
これでログイン完了である。ログインパネルは消え、晴れてLinuxのデスクトップ環境が使えるようになる。
ここで注意してほしいのは、rootでログインするのは初心者にとっては危険だということだ(コラム参照)。この特集を順に読み進み、できるだけ早く自分用の一般ユーザーを登録し、ふだんは一般ユーザーでログインするようにしてほしい。
ログインをしたからには、利用が終わったら、ログアウトするのだが、その方法は57ページの「ログアウトとシャットダウン」の項で解説する。ここでは、次に進んで、実際にLinuxを利用してみよう。
(竹内充彦)
ウィンドウズマネージャSawmillとデスクトップ環境GNOME
さて、ログインすると一気に画面が変わる。どことなく見慣れたような、しかし、見慣れぬような、不思議な画面に感じるかもしれない。この画面こそ、あなたがこれからLinuxライフをエンジョイするためのウィンドウマネージャ「Sawmill」(ソウミル)と、その上で動くデスクトップ環境「GNOME」(グノーム)なのだ(画面2)。
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画面2 デスクトップの各部の名称 |
画面各部を見ていこう。各部の名称については、画面2を参照してほしい。ふだん、Windows 98を使っているユーザーなら、大まかな画面構成は把握できるだろう。SawmillもGNOMEも、Windowsユーザーに直感的にわかりやすいように配慮しているからである。デスクトップはユーザーの好みに応じてカスタマイズできる要素を多分に持っている。カスタマイズについては、66ページの「デスクトップのカスタマイズ」を参照してほしい。
●ウィンドウ
画面の真ん中に表示されているのは、いわずと知れたアプリケーションウィンドウだ。最初のログイン時には、rootとしてGNOMEを使おうとしていることへの警告メッセージウィンドウが開いているはず。X Window System対応アプリケーションの多くは、このようなウィンドウ内で実行される(アプリケーションウィンドウは、表示されているメッセージウィンドウとは見た目が多少異なる)。Windowsと同様、バックグラウンドで実行されるようなアプリケーションはウィンドウ表示されない。また、X Window System未対応のアプリケーションは、ターミナルウィンドウや仮想コンソールウィンドウなど、テキストベースのウィンドウ内で実行する。ちょうどWindowsでいうMS-DOSプロンプト(いわゆるDOS窓)だと思えばいい。
ウィンドウの操作については62ページの「ウィンドウの操作」を参照してほしい。
●デスクトップアイコン
デスクトップに直接置かれているのがデスクトップアイコンで、これをダブルクリックすると、アプリケーションが起動する。画面が広い場合、よく利用するアプリケーションや、ファイル、ディレクトリなどへのリンク(Windowsで言うショートカットに相当)を、このデスクトップアイコンにしておくと能率がいい。Windows同様、このデスクトップアイコンは、ユーザーの好みで追加削除できるようになっている。
●GNOMEパネル
Windowsのタスクバーに相当するのがGNOMEパネルである。GNOMEパネルには、Windowsのスタートメニューに相当するメインメニューや、クイック起動バーに相当するアプリケーションランチャ、タスクや仮想画面を切り替えるページャなど、便利な機能が満載されている。これからLinuxを使っていくうえで、最もお世話になるユーザーインターフェイスといってもいいだろう。このGNOMEパネルの使いこなしの度合いが、Linuxライフの快適性に直結しているというわけだ。また、GNOMEパネルは、Windowsのタスクバーとは比較にならないほど、カスタマイズの自由度が高い。
(竹内充彦)
ログアウトとシャットダウン
ここで、ひとまずログアウトとシャットダウンの方法を知っておこう。
まずは、ログアウトについてだ。Linuxの利用を終えたらログアウトする。これは、システムの安全性の面からも、プライバシー保護の面からも、そしてシステムリソースの効率の面からも、実行するように心掛けたい。まして、rootでログインしたまま、席を空けるようなことは絶対にすべきではない。
ログアウトするには、まずパネルにある足跡マークのアイコンをクリックする。すると、メニューがポップアップするので、その一番下にある[ログアウト]という項目のところでもう一度クリックする(画面3)。
![画面3 足跡アイコンをクリックすると[ログアウト]が選べる](/linux/allascii/linuxmag/2001/05/21/thumbnail/thumb320x251-images646267.jpg) |
画面3 足跡アイコンをクリックすると[ログアウト]が選べる |
すると「GNOMEを終了しますか?」と問い合わせてくるので[はい]ボタンをクリックする。この時、[現在の設定を保存]オプションが選択できる。オプションボタンは、へこんで見えれば選択されている状態だ。これを選択してログアウトすると、現在のデスクトップの状態が保存され、次回ログインした時に、その状態が再現される。
ログアウトすると、システム起動時と同様のログインパネルが表示される。このログインパネルからメニューを選択することで、システムをシャットダウンしたり、再起動したりすることができる。パネルのメニューから[システム]-[システムの停止...]か、[システム]-[システムの再起動...]を選択する(画面4)。
![画面4 ログインパネルの[システムメニュー]](/linux/allascii/linuxmag/2001/05/21/thumbnail/thumb320x222-images646268.jpg) |
画面4 ログインパネルの[システムメニュー] |
Linuxも、Windows同様、システムが正しくシャットダウン処理をしてから、電源を切らないといけない。たとえば、Linuxのファイルシステムは、動作中は一部メモリ上に展開されている。通常はシャットダウン処理の際に、メモリの内容をハードディスクに書き戻して整合性を保つのだが、いきなり電源スイッチを切ったりすると更新内容が反映されなかったり、悪くするとファイルシステムそのものを破壊しかねない。したがって、この手順を踏まずに、電源を切ることは避けるべきだ。APM対応のPCならば、[システムの停止...]コマンドを実行すれば、自動的に電源も切れる。
(竹内充彦)
新規ユーザーの作成
さて、rootでログインすることの危険性はコラムにも書いた。それに、ログイン時に毎回GNOMEから警告メッセージが出るのも煩わしいので、ここで、新規ユーザーを作成しておこう。
まずは、うっとうしい、Gnome Hintsと警告ウィンドウをそれぞれの[閉じる]ボタンをクリックして消しておく。
次に、GNOMEの足跡アイコンをクリックしてメニューを表示させ、[KDEメニュー]―[システム]―[ユーザーマネージャ]を選択しよう。するとユーザー管理ツール「KUser」が起動する(画面5)。
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画面5 KUser |
ウィンドウ内には2つのリストが表示されているのがわかるだろう。上側のリストは、このシステムに登録されているユーザー名で、下側のリストは、同じく登録されているグループ名だ。
現在登録されているものは、いずれもシステムが必要とするもので、インストール時に設定されているものだ。このうち、あなたがユーザーとしてログインするのに使うユーザー名はrootぐらいで、あとはシステムが内部で使っていたりする。
グループとは、ユーザー管理上の分類で、ユーザーが所属するグループごとに権限を与えたり、制限したりが可能になる。たとえば、ユーザー名にもグループ名にもrootがある。rootというユーザーはrootグループに属しているのだ。新規ユーザーをrootグループに所属させれば、そのユーザーはrootグループに与えられた権限を獲得する。システムには一般ユーザー用にUsersというグループもすでに用意されているので、ここではそれを使うことにする。
それでは、あなたがこれからふだん使うユーザー名を登録してみよう。KUserのメニューから[ユーザ]―[追加]を選択するか、[ADD]ボタンをクリックしよう。すると、新規ユーザー名入力のための小さなダイアログボックスが表示される(画面6)。
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画面6 新規ユーザー名の入力 |
ここに新規ユーザー名を入力して[確認ボタン]をクリックする。すでに、そのユーザー名が存在する場合は、警告メッセージが表示されるので、別のユーザー名を入力する(画面7)。
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画面7 すでにユーザー名が使われている場合の警告メッセージ |
新規ユーザー名が受け入れられると、設定用のダイアログボックスが表示され、[ユーザ情報]タブが表示されているはずだ(画面8)。
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画面8 ユーザー設定用のダイアログ |
順に設定していこう。[フルネーム]には、ユーザーのフルネームをアルファベットで入力しよう。必須というわけではないが、ユーザー名が本名とかけ離れている場合や、ユーザーが増えてきた場合に、管理上わかりやすい。次に[ログインシェル]だ。シェルとは、テキストベースの端末からLinuxを利用する時の、ユーザーインターフェイスである。ここでは、bashに設定しておこう(bashの使い方については98ページからの「シェルを使おう」を参照)。テキストボックスの右にある▼ボタンをクリックして、一覧から[/bin/bash]を選択する。[ホームディレクトリ]は、そのユーザーが自分用のデータファイルや設定ファイルを置いたり、作業に使うディレクトリのことだ。すでに「/home/ユーザー名」と表示されているはずなので、ここはそのままでOKだ。オフィス1、オフィス2、アドレスは、そのユーザーのオフィス(仕事をしている場所)や、連絡先を記入しておく。fingerコマンドなどで参照できるが、必須ではないのでここでは空欄でもかまわない。[ホームディレクトリを作成]をチェックすると、そのユーザー用のホームディレクトリが[ホームディレクトリ]で指定した場所に自動的に作成される。ここではチェックしておこう。[スケルトンをコピー]をチェックしておくと、各種設定ファイルの雛形がホームディレクトリに自動的にコピーされ、シェルやGNOME等の基本的な利用環境が整う。ここもチェックしておこう。[ユーザプライベートグループ]は、そのユーザーをほかのグループに所属させるのではなく、そのユーザー専用のグループに所属させるためのものだ。ここではチェックを外しておこう(画面9)。
![画面9 入力後のKUserの[ユーザ情報]パネル](/linux/allascii/linuxmag/2001/05/21/thumbnail/thumb320x325-images646273.jpg) |
画面9 入力後のKUserの[ユーザ情報]パネル |
入力が済んだら[パスワードを設定]ボタンをクリックして、このユーザーのパスワードを設定する。インストール時にrootのパスワードを登録したのと同じ要領で、確認のため2つのテキストボックスに同じパスワードを入力し、[確認]ボタンをクリックしよう(画面10)。
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画面10 パスワードの設定 |
[ユーザ情報]の入力が済んだら、[グループ]タブをクリックする。そして[第一のグループ]テキストボックスの▼ボタンをクリックして、一覧からusersを選択する(画面11)。そうしたら[OK]ボタンをクリックしてダイアログボックスを閉じる。
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画面11 グループの設定 |
KUserの上側のリストに登録したユーザー名があるのを確認したら、メニューから[ファイル]―[終了]を選択する。変更を保存するかどうか問い合わせてくるので、[保存]をクリックする。保存しないと作成したユーザーが登録されないので注意しよう。
これで新規ユーザーの登録ができた。ログアウトして、登録したユーザー名でログインし直してみよう。
Column:rootと一般ユーザー
インストール時に必ず作られるrootというユーザーは、システム管理用の特別なユーザーで、システムの重要な部分の変更や、ユーザーの管理など、一般ユーザーには禁じられている操作も行えるのだ。rootはLinuxシステムの中で全権を掌握しているといってもよい万能のユーザーなのである。これは、逆にいえば、rootとしてログインしていると、ちょっと間違えた操作をしただけで、システムに致命的なダメージを与えかねないということだ。ある意味危険なユーザーでもあるのだ。
そのため、たとえあなたが実際にシステムを管理する立場にあるとしても、Linuxのアプリケーションを利用するだけならば、ふだんは一般ユーザーとしてログインしよう。
あなたがrootとしてログインするのは、システムのメンテナンスや復旧をする、アプリケーションをインストール/アンインストールする、ユーザーを追加/削除する、など、システム管理上の実作業時のみにするよう心掛けたい。
ところで、Windows 95/98では、こうしたユーザーによる権限の切り分けがないため、ファイルを削除する方法さえ知ってれば、誰でも簡単にWindowsシステムに致命傷を与えられる。あなたが知らないうちに、誰かがちょっと間違っただけで、システムが起動しなくなってしまう可能性があるのだ。だが、Linuxではそうしたことはめったに起きない。たとえ初心者ユーザーがいたとしても、システムに支障をきたすようなことをする権限を与えはしないからだ。
最近では、家族がそれぞれのメールアドレスを持っていることも珍しくはないと聞く。家族内では、コンピュータスキルのバラつきがあるかもしれない。こういう時にも、システム管理者と一般ユーザーに分かれていることが意味を持ってくる。
家族みんなで1台のPCを使う場合などには、WindowsよりもLinuxのほうが都合がいいこともあるのだ。
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(竹内充彦)
GNOMEパネルを使おう
一般ユーザーでログインし直したら、GNOMEの機能をいろいろ試してみよう。
まずは、GNOMEパネルの各部を見ていこう(画面12)。パネル両端にはパネルかたづけボタンがあり、左から、メインメニューアプレット、アプリケーションランチャ、GNOMEページャーアプレット、時計アプレットが用意されている。ここで言うアプレットとは、パネルの上で機能を提供するプログラムのことだ。
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画面12 GNOMEパネル |
●パネルかたづけボタン
パネルは邪魔なときにかたづけることができる。パネルの両端に付いている、パネルかたづけボタンをクリックすればいい。右端のボタンをクリックすれば、画面の右外に、左端のボタンをクリックすれば画面の左外に、パネルが引っ込む。もう一度クリックすると元に戻る。
Windowsのタスクバーと同様、自動的に隠すこともできる。メインメニューから[パネル]―[プロパティ]―[隠蔽方式]―[自動的に隠す]を選ぼう。すると、マウスポインタが画面下端に来た時にだけパネルが表示され、それ以外の時は自動的に隠れるようになり邪魔にならない。画面の狭いノートパソコンなどでは、便利な機能だ。
●メインメニューアプレット
Windowsのスタートメニューに相当するのが、GNOMEのメインメニューだ(画面13)。
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画面13 メインメニューの右に三角マークがある項目はサブメニューになっている |
パネル上の足跡マークのボタンをクリックするとメニューが表示される。このメニューに表示されるコマンドをクリックすることで、アプリケーションを起動したり、システムの設定を変更したり、デスクトップ環境をカスタマイズしたりすることができるのだ。メインメニューは階層メニューになっており、コマンド名の右に三角のマークが付いてる場合は、マウスポインタを持って行くと、その右側にサブメニューが表示される。
●GNOMEページャーアプレット
GNOMEぺージャーは、アクティブウィンドウの切り替えや、最小化されたウィンドウを元の大きさに戻す、仮想デスクトップの切り替えなどの役割を果たすアプレットだ。
まずは、アクティブウィンドウの切り替えについて見ていこう。Windowsユーザーには、タスク切り替えとしてお馴染みの操作だ。ページャには、現在稼動しているウィンドウ対応アプリケーションのウィンドウ名が付いたボタンが表示される(画面14)。
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画面14 ウィンドウ切り替えボタン |
このボタンをクリックすることで、アクティブウィンドウを切り替えることができる。また、最小化されているウィンドウを元の大きさに戻す時にも、このボタンをクリックする。Windowsと異なり、このボタンをクリックしてウィンドウを最小化することはできない。
次は仮想デスクトップの切り替えだ。仮想デスクトップとは、モニタに表示できる大きさのデスクトップ(現実のデスクトップ)よりも広大なデスクトップをメモリ上に置き、その一部をモニタに表示する機能だ。仮想デスクトップは4画面分あり、そのうちの1つが実際にモニタ画面に表示されている(図1)。
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図1 仮想デスクトップの考え方 |
表示する仮想デスクトップを切り替えるのが、画面右手にあるページャーアプレットだ。
パネルに、無印のボタンが4つ並んでいる。4つのうち、一番左のボタンだけは押された状態になって(へこんで表示されて)いるはずだ(画面15)。
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画面15 仮想デスクトップの切り替えボタン |
その1つ1つのボタンが、それぞれの仮想デスクトップに対応しているのだ。よく観察していると、デスクトップ上に開いたウィンドウの数や形、位置が、一番左の押された状態のボタンの中に投影されているのがわかるはずだ(画面16)。
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画面16 1番目の仮想デスクトップ |
では、左から2番目のボタンをクリックしてみよう。今までデスクトップに表示されていたウィンドウが消える。別のデスクトップが表示されたのである。1番目のボタンには、さきほど開いていたウィンドウの情報がちゃんと表示されたままになっている。ここで何かアプリケーションを起動すると、そのウィンドウは現在の(2番目の)仮想デスクトップに表示されるというわけだ(画面17)。
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画面17 2番目の仮想デスクトップ |
このように、仮想デスクトップを切り替えることで、作業単位でデスクトップを切り替えて利用することができるのだ。たとえば、Webをブラウズしていて、それをときどき参照しながら別の作業をするとしよう。Webはできるだけウィンドウを大きくしてブラウズしたい。そんな時は、別の仮想デスクトップで、Netscape Communicatorを最大化して起動し、デスクトップごと切り替えればいいのだ。
●アプリケーションランチャ
アプリケーションランチャは、よく使うアプリケーションを起動するためのものだ。Windowsではクイック起動バーと呼ばれているものがこれに相当する。初期設定では、「ネットスケープ・ブラウザ」(Netscape Communicator)や、「漢字ターミナル」(kterm)などが登録されている(画面18)。
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画面18 アプリケーションランチャ |
アプリケーションランチャのアイコンをマウスでクリックすると、そのアプリケーションが起動する。このアイコンの並び順が気に入らなければ、マウスの中央ボタンでドラッグすることで順番を入れ替えることができる。好みに応じて、アプリケーションアイコンの追加と削除も可能だが、その方法については、66ページの「デスクトップのカスタマイズ」を参照してほしい。
試しに[漢字ターミナル(kterm)]アイコンをクリックして起動してみよう。ktermは、文字ベースのアプリケーションを利用するためのアプリケーションで、起動するとウィンドウ内でbashというシェルが起動する(画面19)。
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画面19 kterm |
bashについては98ページからの「シェルを使おう」を参照してほしい。ここでは、キーボードから「exit」と入力してbashを終了しよう。bashが終了するとktermのウィンドウも自動的に閉じる。
(竹内充彦)
ウィンドウの操作
ここで、基本的なウィンドウの操作を説明しておこう。ウィンドウの各部の名称は画面20のようなものだ。ふだん、Windowsを使っているユーザーには直感的にわかるようになっているので、とくに戸惑うことはないだろう。
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画面20a アプリケーションウィンドウ |
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画面20b ダイアログボックスウィンドウ |
ウィンドウの上側にアプリケーション名が表示されている部分がタイトルバーだ。Windowsと異なるのは、ダイアログボックスの場合、名前が表示されず、ウィンドウの右側に縦に表示されることである。マウスでここをドラッグするとウィンドウを移動させることができる。また、タイトルバーをダブルクリックすると、タイトルバーだけを残してウィンドウが隠れる。もう一度ダブルクリックすると元どおり表示される。
ウィンドウの4辺または4方の角をドラッグすれば、大きさを変えることができる(図2)。ただし、大きさを変えられないウィンドウもあるので注意しよう。
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図2 ウィンドウの大きさを変更する |
ウィンドウのタイトルバーには、いくつかボタンが並んでいる。左端にコントロールメニューボタン、右端に右から、[閉じる]ボタン、[最大化/元の大きさに戻す]ボタン、[最小化]ボタンが並んでいる。ダイアログボックスの場合、上端に[閉じる]ボタンしか表示されないこともある。
(竹内充彦)
ファイルマネージャを使おう
実はGNOMEが提供するパネルは、このファイルマネージャのバックエンドで動いている。このファイルマネージャこそGNOMEの表の顔であるといってもいいのだ。それはさておき、ファイルマネージャは、Linux上のファイル操作を統一されたインターフェイスで行うことができる。また、ファイルマネージャ単体で、ファイル操作や、アプリケーションの起動などを行えるが、他のアプリケーションと併用することで使い勝手がさらに広がる。
では、さっそくファイルマネージャを起動しよう。ファイルマネージャはメインメニューからも起動できるが、デスクトップアイコンの[ホームディレクトリ]をダブルクリックするほうが手っ取り早い。ファイルマネージャの起動時画面は画面21のようになる。表示されているのは、あなたのホームディレクトリ「/home/ユーザー名」だ。
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画面21 ファイルマネージャ |
左側にディレクトリツリーが表示されていて、現在のディレクトリが紫のラインで表示されている。右側が現在のディレクトリ内容だ。現在のディレクトリを変更したい場合は、ディレクトリツリーのディレクトリ名をクリックする。あるいは、右側のディレクトリ内容が表示されているところで、フォルダの形をしたアイコンをダブルクリックして移動する。ここで、「..」という名前のフォルダアイコンがあるが、これは現在のディレクトリの1つ上の階層のディレクトリという意味だ。つまり「/home/ユーザー名」から、このアイコンをダブルクリックすると、「/home」に移動するというわけだ。バンドが付いたフォルダアイコンが表示されることがあるが、このディレクトリには移動できない。これは、そのユーザーにディレクトリに移動するアクセス権がないからだ。
●ファイルやディレクトリの選択
操作対象となるファイルやディレクトリを選択するには、ファイルやディレクトリのアイコンをクリックする。アイコンの下の名前が反転表示されれば、選択されている証拠だ(画面22)。他のアイコンをクリックしたり、アイコンとアイコンの間の何もないところをクリックすると選択は解除される。
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画面22 選択された状態のアイコン |
複数のファイルを選択したい場合は、最初のアイコンをクリックし、2つめ以降のアイコンをCtrlキーを押しながらクリックする。連続する(左から右、上から下に順に並んで表示されている)アイコンをまとめて選択したい場合は、先頭の(最も左上に位置する)アイコンをクリックし、末尾の(最も右下に位置する)アイコンをShiftキーを押しながらクリックする。マウスをドラッグして範囲を指定することで、指定範囲内のアイコンをすべて選択することもできる。現在のディレクトリにある、アイコンすべてを選択したいなら、メニューの[編集]―[全選択]が便利だ。
ある特定の種類のファイルだけ選択したい場合がある。たとえば、ファイルの拡張子が「.txt」のファイルをすべて選択したいという場合である。そういう時は、メニューの[編集]―[ファイル選択...]を選ぶ。すると画面23のようなダイアログボックスが表示される。テキストボックスに「*.txt」と入力して、[OK]ボタンをクリックすれば、目的のファイルだけが選択できる。このファイル選択で選ばれたアイコンは、すでに選択されているアイコンに加えて選択される。
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画面23 ファイル選択のダイアログボックス |
ところで、ここで使った「*」は、ワイルドカードといい、任意の文字列として解釈される。つまり「*」の部分は「何でもいい」という指示をしたことになるのだ。つまり、「*.txt」は「何でもいいから末尾に.txtが付く」ものという意味に解釈される。名前のどこかに「turbo」という文字列を含むものだけを選択したければ「*turbo*」などと指定できる。名前の先頭が「turbo」と限定するなら「turbo*」だ。
ワイルドカードは、これ以外に「?」も指定できる。「?」は任意の1文字という意味だ。「mp?」と指定した場合は「mp3」や「mpg」は選択されるが、「mpeg」は文字数が合わないので選択されない。
●ファイルの移動とコピー
ファイルの移動は簡単だ。選択したファイルを、移動したいディレクトリにドラッグすればいい。移動先は、同じファイルマネージャのディレクトリツリーでもいいし、別のファイルマネージャを起動しておいて、そちらで開いている現在のディレクトリ内容でもかまわない(画面24)。
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画面24 ファイルの移動とコピー |
ファイルを別のディレクトリにコピーしたい時は、Ctrlキーを押しながらコピー先のディレクトリにドラッグする。このときShift+Ctrlキーを押しながらドラッグすると、実体はコピーされず、シンボリックリンクが作成される。シンボリックリンクは、実体を残したまま、リンク情報だけを持つファイルで、表面的には実体と同様に扱える。Windowsでいうところのショートカットと似たようなものだと考えればわかりやすいかもしれない。
アクセス権によっては、表示はできるが、書き込めないディレクトリというのも存在する。そうしたディレクトリには、ファイルを移動したり、コピーしたりできない。
●ファイルの削除
選択したファイルを削除するには、ファイルマネージャのメニューから[ファイル]―[削除]を選択する。本当に削除するかどうか問い合わせてくるので、[はい]ボタンをクリックすればいい。ただし、Linuxでは、いったんファイルを削除してしまうと、復活させることはできないので、ファイルの削除は慎重に行ってほしい。また、ファイルの削除も、アクセス権によっては実行できないものがある。
●アプリケーションの起動
アイコンをダブルクリックするとアプリケーションを起動することができる。ただし、ファイルマネージャから起動できるアプリケーションは、X Win
dow System対応アプリケーションに限られる。
まず、アプリケーションそのもののアイコンをダブルクリックして起動してみよう。ディレクトリを「/usr/X11R6/bin」に移動しよう。エンジンのピストンマークのアイコンがプログラムアイコンだ(画面25)。
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画面25 ファイルマネージャで/usr/X11R6/binに移動 |
このディレクトリにあるプログラムの多くはX Window System対応のアプリケーションだが、ユーザーが起動するものばかりではないので、むやみに起動しようとしてはいけない。試しに「xeyes」というアプリケーションアイコンをダブルクリックしてみよう。マンガのような目玉が表示されるはずだ(画面26)。xeyesは、その視線がマウスポインタを追うというだけのプログラムだ。
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画面26 マウスポインタを目で追うxeyes |
次にデータファイルをダブルクリックして、それに対応したアプリケーションを起動するという方法がある。Windowsなどではお馴染みの方法だ。GNOMEでももちろんサポートされている。まだ、インストールしたてで、データファイルはないが、ファイルの拡張子に応じて、対応したアプリケーションが起動するようになっているのだ。起動するアプリケーションと、ファイルのデータ形式(拡張子)の関連付けは、GNOMEコントロールセンターのMIME型で設定されている。GNOMEコントロールセンターは、パネルのアプリケーションランチャに登録されているので起動してみよう。
起動したら、左側のリストの一番上にある「MIME型」をクリックしよう(画面27)。
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画面27 GNOMEコントロールセンターのMIME型 |
すると、データ形式と拡張子の対応一覧が表示される。試しにリストの中ほどにある「mp3」を選択し、[編集]ボタンをクリックしてみると、画面28のようなダイアログボックスが表示される。
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画面28 拡張子「mp3」のアプリケーションとの関連付け |
ここには「.mp3」という拡張子を持つファイルを表示するためのアイコンと、そのデータファイルに対応して起動するアプリケーション「mpg123」が設定されているのがわかる。mpg123はインストールされていないので、ここでは「xmms」(画面29)を設定しよう。[Open]テキストボックスに、直接、
と入力する。これで、「.mp3」という拡張子が付いたファイルをダブルクリックするとxmmsが起動するようになった。
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画面29 MP3再生アプリケーション「xmms」 |
GNOMEでは、メジャーな拡張子については、あらかじめアプリケーションとの関連付けがされている。関連付けされているアプリケーションが正しくインストールされていれば、データファイルをダブルクリックするだけで、自動的に起動する。
(竹内充彦)
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